こんにちは
生きづらさ解決コーチの冨永真佑(とみながまゆ)です。
前回は学校教育に演劇教育を取り入れるといいことだらけですよ、というお話しをしました。
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日本人の自己肯定感が低いのは日常生活にアートやライブエンターテインメントのような興奮や感動を感じる機会が少ないからだと思います。
海外に比べると圧倒的に少ないですね。
美術館や博物館、劇場などもそれなりの数、あるにはあるのですが、一般の方に宣伝として行き届いていなかったり、ライブエンタメに関してはどうしても有名人を起用しないと集客しづらい。でも、有名人を起用すると、チケット代が高くなり、入手が困難になり、結局物凄く興味のある一握りの人の楽しみみたいになってしまっている部分が否めないのでは無いでしょうか?
何気ない日常にストレスを貯めないためにも、空気を吸うように、ご飯を食べるように芸能や芸術がもっともっと身近になるといいなと思います。
そんな中、日常は他の仕事を持ちながらも、芸能活動に携わっている方々ももちろんいらっしゃいます。
今日から3回にわたり、今、俳優さんをやっているとか、舞台に立っているとかではないけれど、演劇が自分の生活の一部になっていたり、演劇と出会ったことが自分の人生に良い影響をもたらしています!とおっしゃる方にインタビューをさせていただきましたので、参考にしてみて下さい。
コロナがいつ収束するか微妙なところではありますが、精神の時代だからこそ、人と人の触れ合いだけは無くさないでいただくためにも、芸能や芸術に対する理解を広げていきたいと思います。
目次
おとなしくて本を読むのが大好きだった女の子。演劇と出会い、そこから世界が広がったお話
まずは第1弾です。
本日のゲストは、笑顔がとっても素敵な朽木夢(くちきゆめ)さん。現在はフォトグラファーをなさっています。
夢さんとお茶を飲みながら、夢さんにとっての演劇を伺ってきました。
ちょっと心が疲れてるなという社会人の方、学校楽しくないなと思っているお子さんを抱えていらっしゃる親御様。
ぜひ、参考にしてみて下さい。
冨永:今日はよろしくお願いします。
朽木:お願いします。
冨永:朽木さんは演劇の経験はあるんですか?
朽木さん:今はやっていませんが、中学、高校、大学とミュージカルなどに出演していました。
今も時々ワークショップには参加します。
冨永:通っていた中学校に演劇部があったんですね?
朽木さん:はい、ありました(出身は大阪)。市のコンクールで最優優秀賞を頂いたこともあります。
冨永:私は中学の部活に演劇は無かったです(出身は兵庫)。高校はありましたけど。
なぜ演劇部に入ろうと思ったんですか?
朽木さん:友達に誘われました。もともと本を読むのが好きでどちらかというと、脚本を書く方に興味があったんですが、やってみたら、出る方も楽しくて(笑)
冨永:子供の頃から、ご両親が芸能好きとか、環境は在ったんですか?
朽木さん:いえ、それは無いですね。
冨永:演劇ってやってみると楽しいんですけど、やる前の壁が厚いというか、とっつきづらい感じがあるじゃないですか?
朽木さん:ああ、そうですね。
友達が小学校で演劇の授業をやっているんですが、そうやって学校で演劇があるって本当にいいなって思います。
冨永さんは演劇教育に興味があるんですか?
冨永:私は、もともとはただ舞台に立ちたかっただけの人です(笑)
かなり後になって、学校の先生や教育関係者の方に演劇熱心な方が多いことを知りました。
自分もずっと演劇を続けていく中で、演劇が無かったら今頃どうだったろうな?と思うことが多くて。それで演劇教育も始めました。
子供の頃、サンテレビ(神戸市にあるテレビ局)で、宝塚を毎週放送していたので、それが子供の頃に見た舞台と言えば舞台ですね。
見てはいましたが、劇場が近くに無いので、演劇って言葉は高校に入るまで全然知りませんでした。でも、高校は英語劇に入っちゃって(笑)
英語がべらべらな子がいて、私は全然できなくて、すぐ挫折してやめてしまいました(笑)
パッと拝見すると、朽木さんはおとなしそうなイメージがあるんですが、実際にやってみてどうでしたか?
朽木:クラスでは1番2番くらいにおとなしい子だったと思います。
普段はおとなしくて表現できない分、思い切り声を出すことができたので、本当に楽しかったですね。少年の役などを演じるのが好きでした。
冨永:今でも、やっぱり性格はおとなし目ですか?
朽木:ああ、そうですね。今でも普段はおとなしい方です。
セリフ(言葉)を言うことって自分の中にある感情を出すってこと
冨永:話しは変わりますが、大阪って劇場増えたんでしょうか?
朽木:どうでしょう?東京だと1か月公演されるものが、大阪になると1週間しかなくて、だから東京から離れられないって感じですね。
冨永:わかります!私も劇場がいっぱいあるから、東京にずっといる感じですね。
演劇をやることによって、学べるものってなんだと思いますか?
朽木:一番は人と協力することを覚えられますね。舞台って音響とか、照明とか、いろんなセクションがあるので、全部があって1つになるところがやっぱり大きいかな?と思います。みんなでやるってところが好きです。
冨永:ちなみに今までどんな役をやられましたか?
朽木:中学生の時は「杜子春」の母や、時代劇では庄屋の下女として主役を演じました。高校生の時は英語劇をやったり、「Brundibar」というチェコのオペラに出たり。大学生の頃は、「赤毛のアン」のアンの友人や、ドイツ語で「サウンド・オブ・ミュージック」の兄弟の1人などを演じました。
冨永:演劇って作り始めると、授業以外の時間はほとんどそこに費やすことになると思いますが、演劇をやっていなかったら、どんな時間の使い方をしていたと思いますか?
朽木:私は本を読むのが好きなので、演劇をやっていなかったら、ずっと本を読んでいたと思います。物語が好きなので、声に出すか出さないかの違いですね。
冨永:出る方じゃなくて、裏方もやりましたか?
朽木:ああ、やりましたやりました。一通り、全部やったと思います。
音響、照明、大道具、演出、会場スタッフ、最近は舞台の撮影をやってます。
舞台を作ることが好きですね。
どの場所にいても、同じ熱量で関わっています。
裏方をやっていると、出演したくならないの?って聞かれますけど、どちらも同じ感覚です。舞台を作ることが好きなんですね。
冨永:朽木さんの周りに演劇をやっている方はいらっしゃいますか?
朽木:本格的にやっている人は少ないですね。もっと演劇が文化として普及したらいいなと思います。
冨永:日本人は、体を動かすとか、声を出すとか、発散させる行為が全然足りていないですよね?
朽木:本当、そうですよね。
冨永:それは、スポーツクラブに行くとか、カラオケで遊ぶとかとはちょっと違うと思うんです。セリフを言うことって自分の中にある感情を出すってことだと思うので。
演劇に正解は無い。自由に表現を楽しむことで自分が広がる
朽木:この前、ヤングアメリカンズのワークショップ(ページの最後に動画を貼っておきます)に行ってきたんですが、3日間のワークショップで3日目にショーをやるんです。
普段は子供向けのワークショップですが、最近は企業研修にも用いられたりして大人も参加でき、本当に楽しいです。
最初は躊躇していた人たちも、やってみると楽しいのがわかるので、だんだん打ち解けてきます。
演劇に全然興味なかったけど、やってみたら楽しかったという声はよく聴きますね。
子供の頃からの体験って大事ですね。小学生の頃から普通に演劇体験をしている国もありますよね。
自己表現の差って、幼い頃からの体験で生まれると思うんです。
冨永:学校教育に演劇が入ると、本当にいいと思うんですよね。
朽木:私はシュタイナー教育も好きで、演劇に限らず、アートを大事にしている教育っていいなって思います。
どんな表現をしても許されるというのは必要な場だと思うんです。
安心して受信も発信もできる場が芸術だと思うので、いろんな教科にもっと取り入れられたらいいですよね?
冨永:日本人はいろんなことを縛りすぎると思うんです。もっと緩く、緩めた感覚を大事にするって必要だなと思います。
朽木:ヤングアメリカンズも12年前に日本に入ってきて、今、公立の学校にもどんどん入ってきているので、広がるといいなと思います。
冨永:2021年になりますが、兵庫県には演劇を学べる初の公立大学ができます。
学長は平田オリザさん。
朽木:平田オリザさんのワークショップの内容を聞いたことがあるのですが、とてもおもしろそうでした。
冨永:脚本を貰うことで、自分の考え方や価値観を考えさせられる時間って貰えますよね?
朽木:はい、そうですね。
演劇は、やる人によって解釈が違っててもいいので、その違いを楽しめるのがいいところだと思います。
そういうところが、一人で本を読んでるだけとは違いますよね。
小学生の時に、国語の本を読むのに、感情を込めて読んでいました。
みんなもっと感情をつけて読めば楽しいのに!って思ってました。
正解は無いんだから、どう読んでもいいんだよって、いうのが学校の空気の中にあるときっと違うと思います。
冨永:知り合いが今、スペインのカンパニーで女優として活動しているんですが、スペインではそうだよね!と言い合えることが、日本に帰ってくると全然通じなかったりするので、文化レベルの差を感じると言っていましたね。
朽木:最近は2.5次元ミュージカルが流行っているので、あれは面白いですよね?
漫画のキャラクターそのままに忠実に作っているので。
冨永:日本全国の文化ホールでそういうのが気軽に見られる仕組みができるといいなって、ずっと思ってます。
朽木さんは、演劇がお好きなので、きっとこれからも何かしら関わっていかれるんでしょうね。
朽木:そうですね。私はミュージカルが好きなので、いい作品に出会うと本当にはまります。
1、2度見たものがつまらなかったからと言って、諦めないで欲しいですね。
以前、野球場に行ったことがあった時に、平日の夜に、こんなに大人が集まるんだと思って、楽しい場所には人は集まるんだって思いました。
そういう感覚で演劇を見られる機会がもっと増えるといいと思います。
冨永:本当にそうですね。もっと気軽に見られる環境、仕組みが必要だなって、私も思います。朽木さん、本日はありがとうございました。
朽木:ありがとうございました。
朽木夢さんプロフィール
高3の春に出会ったミュージカル”MOZART!”に感激。進学後は時間があれば劇場へ…観劇の日々。
Up with Peopleに参加し、ダンスや歌のショー、ボランティアをしながら半年間で7か国を回る。
NPO法人コモンビートのスクールプロジェクトで訪問授業など、「ミュージカル×教育」活動を続けている。
会話の中に登場したヤングアメリカンズはこちら
あなたも心豊かに!
ぜひ、演劇体験してみて下さいね。
地元にも探すときっと何かのワークショップが行われていますから!
じぶクリでは感情の吐き出しとヒーリングを同時に行えるドラマセラピーをご用意しています。
オンラインでも演劇に近い体験ができますよ!
本日はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
まとめ
1.人には自分でも気が付いていない内在的力が存在する。感情とともに表現する機会を増やすと、その力はどんどん増していく
2.演劇は、やる人によって解釈が違っていていい。その違いを楽しめるのがいいところ
3.物事に正解は無い。どう感じてもいいんだよという空気が社会に広がると日本の幸福度は上がる
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